『コレ、絶対よんで! ~本棚妖怪のゴリオシ一冊』vol,4

こんにちは♪

アプレスタッフ・オノです(^^)
 
オノの読書は、ひとつの作品を読み切ってからまた次の作品に移るという“一冊入魂”型ではありません。
例えば、通勤中には知識系の書籍、お風呂で読むものは、小説(←うっかり泣いてしまっても大丈夫なわけで。)、リビングでちょっとした時間があるときは短編モノ、就寝前にはお気に入りを再読…というように、一日のうち、シチュエーションごとに作品を替え、数冊を並行して読んでいます。
 
本棚妖怪は、一冊だけにとり憑くのではなく、数冊一度にとり憑くのです。
 
本日は、“風呂読”の際、のぼせてしまいそうになった作品をご紹介します。
そうです。『一気読みしたい!』衝動をおさえられなかった作品です。
 
石田衣良著『うつくしい子ども』文春文庫。
 
9歳の少女が無惨に殺害された事件―。犯人は、主人公、“僕”の弟だった!というもの。ちなみに、“僕”は14歳で、犯人である弟は13歳。
そう。少年犯罪という、重く、衝撃的なテーマです。
そのリアルなタッチに、あの90年代後半に起こったあの、
酒鬼薔薇事件もとい、神戸連続児童殺傷事件をオーバーラップさせながら読んでしまいました。
崩壊する家族や変質していく地域、加熱するマスコミ報道やいじめといった、過酷すぎるものが主人公の少年を襲うのですが、少年は、加害者家族として、弟の犯罪をしっかりと受け止め、何が犯罪に駆り立てたのか、兄として、犯人である弟の心の深部を探っていこうと彼なりに調査をしていきます。
物語全体としては、ミステリー、なのかもしれませんが、読後、『あれ?ミステリーってこんなに泣けるものだっけ?』となります。
見どころはやはり、主人公の少年が事件を通して成長していくさま。
 
『だけど、あいつは、僕の弟なんです』
 
138ページで、少年は、彼を取材しようとする新聞記者にこう言います。
こうして、罪を犯した弟を受け止める傍ら、被害者の女の子のお墓へは、毎週必ずお参りにいきます。ひっそりと墓前に供えるのは、野山の花を一生懸命に束ねて手作りする、質素だけれど美しい花束。少年の心そのものです。
 
逃げるわけでもない、開き直るわけでもない、かっこつけているわけでもない、
少年の真摯で健気な姿勢。
胸を打たれます。胸を締め付けられます。
胸が熱くなります。胸が一杯になります。
胸がじーんとします。
とにかく、胸がいくつあっても足りません。
 
そうして、少年を見守る新米新聞記者は、物語後半に入った231ページで
 
『大人になること。正しさの基準を外側にではなく、自分自身の中心に据えること。』
 
と彼の成長を確信します。
 
 
衝撃的なテーマの割には、物語のトーンは淡々と(←だから余計にリアル)、繊細です。
 
が。
 
ラストは、これまた衝撃的です。
 
『一気読みしたい』衝動にかられるわけです。
 
風呂読の方、長湯のノボセにご注意。
電車読の方、乗り過ごしにご注意。
授業中、こっそり読んでおられる学生さん、先生の視線にご注意。
 
少年犯罪という扇情的な内容だけに、暗い気持ちになりそうですが、
読後には、なんだか、あたたかなものと、爽やかさと、『前に進んだ』感、が訪れます。
さすが、石田衣良先生。
これぞ、石田マジック。
 
ちなみに。
 
ワタシの人生の標語は、伊坂幸太郎著『重力ピエロ』のハルが106ページで言った、
 
『本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ。重いものを背負いながら、タップを踏むように』
 
なんですが。
ワタシの仕事における標語は、本作品の154ページ、ベテラン新聞記者の言葉。
 
『物を見るときは、距離が大事だ。近づきすぎても、遠すぎても見えなくなる。自分の焦点距離を大切にな』
 
です…。
 
それでは、それでは。
 
本日も最後までお付き合いくださってありがとうございます!
アプレスタッフ・オノでした☆
 
2009.03.4 14:51 | スタッフ | Trackback |
TrackBackURL:

この記事には、まだコメントはありません。 コメントする。

コメントをどうぞ

Required

Required, hidden