ワークショップ③

1月、2月、3月と続けて3本、利重剛監督にワークショップをやって頂きました。
4日間で行われる「俳優・ワークショップ」と少人数制で俳優技術スキルアップの為に6日間かける「チューン・アップ ワークショップ」、そして5日間の日程で映画のストーリー作りをする「物語つくりのワークショップ」です。

 

俳優・脚本家としても活躍されている利重剛監督は俳優の為のワークショップの中でも様々な顔を見せて下さいます。

 

俳優達に対して映画監督としてのアプローチはもちろん、先輩俳優としてのアドバイスもあります。
ごくごくたまにボーナス的に実際参加者と共に演じて頂けたりします。
するとたちまち1シーンが見事に成立します。
そういう時には私も完璧に単なる観る側として楽しんでしまいます。

 

演技におけるリアクションの重要性はよく言われることですが
利重監督はそのリアクションを誘うアクションを巧みに仕掛けられます。
するとそれを受けた参加者は今までにないくらい、上手に落ち着いてリアクションをしたりします。
そうなると結局仕掛けた利重監督も引き立ってきます。
結果シーンとして何層にも深みのあるモノが出来たりするのです。

 

さらに、利重監督がリアクションされる際には、時に思い切り大胆な動きをされることがあります。
「あ、この人はこんなことをするのか」という一瞬極端なところまでふりきりますが、

 

もどったところの着地点はぶれません。
だからその人物が、かいま見せる一瞬の顔として人物に対して興味とさらに推測が働き、

 

そしてその人物自体が非常に魅力的にみえてきます。

 

そういうことが、ごくごく自然にさらっと出来る俳優が重宝されるんだろうなぁとしみじみ考えます。

 

そして利重剛監督のアドバイスとしてよく仰るのが『うろ覚えの勇気』。
自分自身でやり切った感のある演技ほどひどいことはなく、「あれでよかったかなぁ」と思っているぐらいの時が
丁度いいらしいのです。
具体的なシーンが想起され実に笑える話ですが、でも実際観る側としては押しつけられる演技よりも
自分の想像力がかき立てられる演技の方が、はるかに面白いと感じるのだと思います。

 

 

これはやはり利重監督にお願いしている「物語つくりのワークショプ」に繋がります。

 

このワークショプは利重監督のご提案で始まりました。今回で7回目です。

 

 

お茶やお菓子をつまみながら、人をひきつけて止まない『物語』とは何か?ということを参加メンバーで話し合いながら映画のストーリーを作り上げるという『試み』のワークショップです。

 

参加するのは実に色々な方達です。脚本家やプロデューサー、俳優、モデルだけではなく、学生さんから まったく映画とは関係のない仕事をされている方までもいらっしゃいます。

 

このワークショップでは一人の作業としてストーリーを煮詰めていくのではなく、数人で自由に思いつくままに映画のストーリーを語っていきます。ここには何の縛りも制約もありません。

 

映画のストーリーもやはりある結末に至る為に意図的に展開されていくものより、少々辻褄があわなくてもドンドン展開していく方が、この先一体どうなるのだろうかとはるかにワクワク、ドキドキするものだなとあらためて実感します。

 

どうやら観る側は映画のストーリー全体よりも、その過程におけるその時々の登場人物の感情を想像して心を揺らし、さらには勝手に物語を膨らませることまでをも楽しんでたリするようです。

 

「ものすごく好きな映画」であっても映画の結末を覚えてなかったりしませんか?
映画を見直してみて「あれ、あのシーン、ああじゃなかったんだ」とか、もっといくと、「あのシーンはなかったんだ。勝手に自分が作ってたんだ」なんてことありませんか?

 

そんなことを「物語つくりのワークショップ」で話していたりします。

 

参加者みんなの力で作り上げられたストーリーの数々は、現在コツコツとデータベース化しています。
まもなく皆さんにお目に掛けることが出来るようになると思います。

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